まちづくり(再開発事業)を行うきっかけは、その地区によって異なると思います。
私たちの西新宿六丁目は、平成3年の都庁移転とともに、地区のマスタープランが策定されて再開発事業が進められてきました。その中で、私たちの西新宿六丁目西第7地区は、周辺から取り残された感がありました。
私自身の建物も十二社通りの拡幅とともに昭和40年代後半に建てられた旧耐震基準の建物で、資産の今後の有り方等を含めて、なんとかしないといけないと考えていました。
その中で権利者の有志が集まり、近くに事務所を構えていたコンサルタントのアールアンドディ新建築都市研究所に無料で講師をお願いして(笑)話し合いをスタートさせました。
その後、都市計画決定まで、まちづくりの発意から都市計画決定まで約2年かかりましたが、アールアンドディ新建築都市研究所が新宿区と粘り強い協議・調整を重ねて、本格的に事業に着手しました。
再開発事業は、多く権利者の合意形成を図ることが必要です。
そのためには権利者それぞれの方が、抱えるご資産やご家族の課題や問題点を、事業を契機として解決することが、合意形成の一助となることがあります。
そんな時に、私自身、コンサルタントとともに、その権利者が持つ課題や問題点の相談にのり解決していきました。また、権利者との交渉にも、理事長として私が直接立ち会うこともありました。コンサルタントでは解決できない問題でも、権利者と同じ目線で立ち会うことで解決することもあります。
時期や局面にもよりますが、コンサルタントや事務局だけに任せるのではなく、権利者が自ら行動することも重要であると考えていました。でも、私自身でも理事長の立場と一人の権利者として言いたいことのバランスをとることには苦労しました。その場合には、アールアンドディ新建築都市研究所にだけ、お話をしました。(笑)
当組合がアールアンドディ新建築都市研究所に委託を決めた際には、少人数の小さなコンサルタント会社で大丈夫か、という不安もありました。
進めてみて判ったことですが、事業を推進する力は会社の規模や人数ではありません。再開発事業を推進する経験や技術をもっているのはもちろんですが、その会社や担当者が、その携わった事業を絶対に推進するという気持ちをもっており、それを継続できるかが第一です。
再開発事業は、一定の時間がかかります。どんな事業でもその間に、多かれ少なかれ事業の進捗に併せて、都市計画の考え方や事業計画の立案、権利者の合意形成等様々な課題が起こります。特に政治と経済の流れが速いこの時代ではなおさらです。
そんな時に、冷静に状況を把握して、権利者に分析結果を話して、一緒になって悩み、その課題と正面から向き合い、解決するアイデアと行動力が持てるかどうかです。
アールアンドディ新建築都市研究所は、その力を持っています。今後は、そんな力をもった若手のコンサルタントを数多く育て、地域のまちづくりに貢献できる会社として成長していってもらいたいです。